2026年6月23日に、ジャパンサステナブルファッションアライアンスの会員向け勉強会が行われました。本勉強会ではオーストラリアのアパレル製品の循環の実現に取り組む非営利団体「SEAMLESS」より、取り組みや成果等についてご講演いただきました。
【講師】
SEAMLESS 最高責任者(CEO) Ainsley Simpson(アインズリー・シンプソン)様
【講師プロフィール】
シンプソン氏はサステナビリティ、インフラ、非営利組織において20年以上にわたりリーダーシップを発揮し、政策立案、連携・協働、そしてシステム変革の推進に取り組んできました。2030年までに衣料品の循環性を加速させることを目標に、廃棄物を削減し、衣料の長期利用を実現するために必要なシステム、市場、パートナーシップの構築に注力しています。
【勉強会概要】
オーストラリアの衣料品スチュワードシップ制度であり、世界初の循環型製品スチュワードシップ制度(またはEPR:拡大生産者責任)に基づく管理プログラムであるSeamlessより、制度の仕組みについてご紹介いただきました。また、昨年実施した7つの実証プロジェクトの成果とそこから得られた知見、さらにオーストラリアのファッション業界における循環型システムの制度化に向けた政府への提言内容についてもご説明いただきました。
※スチュワードシップ制度:製品を市場に出す事業者が、その製品の全ライフサイクルに責任を負うことを認める制度です。SEAMLESSでは加盟している衣料品ブランドが市場に投入する衣料品1着あたり4セントの拠出金(環境配慮基準を満たす衣料品については1着あたり3セント)を支払っており、資金は循環型デザイン・循環型ビジネスモデル・資源循環の実現・市民の行動変容等に活用されています。
内容
1. 「SEAMLESS」とは
2. プログラムの目的
3. 実証プロジェクトのデータと結果
4. 廃棄された衣料品の「次なる市場」調査報告書
5. 政策、経済、財務に関する検討
6. 提言内容
7. 今後の取り組み
本勉強会は、廃棄衣料の回収・選別・リサイクルをスケール化するための実践的な知見をもとに、効果的かつ実現可能な国家レベルの衣料品循環システムについて考える貴重な機会となりました。
SEAMLESSは、オーストラリアの現在のリニア(直線型)な衣料廃棄システムにおける4つの主要な課題を指摘し、衣料品の循環型経済を実現するためには、国が主導する義務的なスチュワードシップ制度が必要であるとの提言をしています。
実証プロジェクトで得られたデータから、循環型システムの実現には業界全体で取り組むことの重要性を改めて認識することができました。さらに意見交換では、適量生産のあり方や提言の進捗についてお話を伺うことができ、大変有意義な時間となりました。
ジャパンサステナブルファッションアライアンスでは、このような会員向け勉強会を定期的に開催し、会員企業が繊維・ファッション産業のサステナビリティに関する国内外情勢の把握や情報収集に役立つ機会を提供しております。
